エサと仲間、とるのはどっち?ラットは困っている仲間を助けるのか?

困っている人を助けるのは人間としてあるべき姿。もそも人が突然倒れるようなことがあれば「大丈夫ですか」と周りの人が助けに集まります。
その一方で、動物が困っている仲間を助けるという姿はあまり見かけることがありません。仲間が困っていても、チラっと見ることはあっても我関せずといった感じ。
そんな中、関西学院大学文学部の佐藤暢哉教授らグループが、ラットにより、動物が仲間を助ける意識があるのかどうか実験を行い、その結果を発表しました。一体、どのような結果となったのでしょうか。
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教授らは水の入った部屋と水がない部屋の2つを用意し、2つの部屋にラットを入れました(2つの部屋は間にドアをはさんでつながっています)。そして、水の入った部屋で窮地に陥ったラットに対して、水のない部屋にいたラットがどのような行動をするか観察しました。
実験の結果、水のない部屋のラットは水の入った部屋のラットを救助に向かうことが分かりました。過去に溺れかけた経験を持つラットほど救助に向かうまでの時間が短く、相手の気持ちにより強く共感するようです。
さらにもう1つ部屋を用意して実験が行われました。もう1つの部屋にはエサが置かれています。エサをとるか仲間をとるかといった実験です。人間でいうと、金をとるか仲間をとるかといったシチュエーションでしょうか。この場合、ラットはエサよりも溺れかけたラットの救助を優先するという結果になりました。まさに無償の愛です。動物にも見返りを求めずに仲間を助けるという行動が潜在意識の中にあるとは驚きですね。
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