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松屋のタッチパネル式券売機がイライラするほど使いにくい8つの理由

  1. 2017/02/11(土) 00:00
  2. 食べ物
松屋のタッチパネル式券売機がイライラするほど使いにくい理由
via:www.metro-shopping-center.com

松屋に入ったことはありますか?もちろん、銀座の松屋(デパート)ではありません。牛丼の松屋のほうです。メニューも豊富で値段も安い。おまけにみそ汁までつけてくれる。庶民の味方ですが、どうしても好きになれないものがあります。それは券売機。

松屋の券売機はとにかく分かりづらい、使いづらい。開発会社はなんでこんな設計にしたのか?松屋側の開発窓口はなんでこの仕様でOKしたのか?あの券売機のせいで松屋に行くことをためらってしまうほど。なぜそこまで券売機が使いづらいのか、考えてみました。

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普通の券売機

松屋のタッチパネル式券売機がイライラするほど使いにくい理由
via:www.omise-ouen.com

ラーメン屋など、飲食店に行くとよく見かける券売機。普通の券売機はこんな感じです。メニューの名前と値段がかかれたボタンが並んでいるタイプのものです。

お金を入れるとボタンが光るので、食べたいメニューを押すだけ。これで食券が出てきます。直感的にも分かりやすく、シンプルながら最も使いやすい券売機といえます。まさにシンプルイズザベスト。

松屋の券売機

松屋のタッチパネル式券売機
via:tokyodeep.blogspot.jp

次に松屋の券売機。初めて見た時はびっくりしました。なんだかどでかい近未来的な券売機が現れたわけですからね。ところが、近未来感は半端ないもののとにかく使いづらいだけのポンコツでした。

問題点①:タッチパネル

ひたすら問題点挙げていきます。まず券売機の操作はタッチパネル式。今のご時世、タッチパネルは当たり前にはなってきましたが、ユーザーの使い勝手を考えたというよりも流行りだから感が半端ない。しかもなんだかタップした時の反応が悪いような・・・

まあタッチパネルであること自体はあまり大きな問題ではありません。この次から続々とストレスを感じる問題点が・・・

問題点②:初回画面で「店内」か「持ち帰り」か

初回の画面で「店内」か「持ち帰り」かを選択させるボタンが2つ出てきます。たった1度の操作とはいえ、このひと手間がイラッとする。9割以上が店内で食事をする客なわけなんで、そもそもいらなくない?

持ち帰りをする人は口頭で「持ち帰りしたい」と伝えれば済む話だし、持ち帰りカウンターで口頭注文でもいいような気も。少々イレギュラーなオーダーは無理にシステム化する必要もないのに、券売機ですべて済まそうとするあまり無理くり初回画面に「店内」か「持ち帰り」か選択させる面倒なワンステップを入れてしまった感じ。

ユーザーにとって便利であることが大前提のシステムなのに、無理にシステム化しようと要件を詰めた結果、大多数のユーザーにとって面倒なワンステップが入ってしまいました。

問題点③:使い勝手よりもヴィジュアル重視

牛丼を食べたいと思って久々に松屋に入ったところ、券売機で「店内」ボタンを押した後に出てきたメニューの画面がひどい。UIをリッチにしようとしたのか、恐ろしいほど見づらく、選びづらいUIに・・・

システム開発あるあるですが、導入する側の現場担当者も上層部もユーザーの使い勝手よりもいかにカッコイイかが刺さるんですよね。ユーザーの使い勝手は無視して、「おお、これいいね!」的な感じで出来上がってしまったシステムのような気がしてなりません。

問題点④:「プレミアム牛めし」「丼」のボタン

牛丼を注文しようとして一瞬とまどってしまいました。「プレミアム牛めし」と「丼」のボタンがあって、「どっちに牛丼は属しているのか?」が全然分からない。松屋によく行く人は常識かもしれませんが、久々に行く人間にとっては「プレミアム牛めし」が牛丼であることを理解できません。

「プレミアムなんてそんな大層なものはいいから牛丼が欲しい。」 そう思って「丼」をタップしたところ、表示されたメニュー一覧に牛丼は一切ない。というよりも、「牛とじ丼」や「キムカル丼」という似たような丼ぶりがあって、見た目は牛丼っぽい。「牛とじ丼が牛丼のことなのかな?」なんて考えているうちに券売機を操作し始めて10秒20秒は経っています。

すると後ろに人が並び始める。そうなると人間早くしないとと焦り始めるんですよね。吉野家だったら「牛丼並と卵」って言えばすぐに出てくるのに、なんでこんな思いしなきゃならないの。使いづらい券売機のせいで松屋の印象は悪くなるばかりです。

問題点⑤:メニューが多すぎる

そもそも安くて早くてうまいという売りがあるわけなので、お客さんの回転も早いわけです。当然、次から次へとお客さんが入店してきます。メニューが多いのはいいことですが、ゆっくり探す余裕もない中こんな分かりづらい券売機でメニューがずらずらっと並んでいるのはかえってストレスです。

問題点⑥:確定の仕方が分からない

食べたいメニューを選択し終わった後、「確定ボタンでも押すのかな」と思いボタンを探しても見当たらない。「おつり」ボタンがあるんで、確定ボタンもあるんじゃないかと思いきや見当たらない。結局、ボタンを押すことなくお金を入れたら勝手に食券が出てきました。

ここまでたぶん1分はかかってます。吉野家だったら席に座って「牛丼並と卵」と言えば2秒で注文が終わるところ、このストレスフルな券売機だと何十倍もの労力がかかります。

問題点⑦:1台しか導入していない店

松屋によく行くわけではないので分かりませんが、少なくとも久々に行った店舗では券売機は1台しかありませんでした。1人の操作時間が結構かかってしまうにも関わらず、1台しかない。後ろに行列ができてしまい焦ってきます。

問題点⑧:使いづらいのを分かって導入した可能性

もしかしたら松屋の担当者も上層部も使いづらいと感じていたものの導入に踏み切った可能性があります。理由は開発費。この手のシステムを開発しようとしたら数千万~数億円程はかかるのではないでしょうか。途中、あれも追加これも追加と仕様が膨らみ、詰め込み過ぎた結果使いづらくなり、とはいえお金がかなりかかっているので後戻りできず・・・

どんなに費用がかかろうが、お客さんにストレスを与えるようなシステムを導入することはかえって不利益になるような気も。せっかく良い食事を提供しているのに、この券売機のせいで松屋の印象はガタガタです。

2017年には3ヶ国語に対応

2017年3月期中には券売機がマルチリンガル対応になります。日本語だけでなく英語や中国語にも切り替えることが可能で、2020年のオリンピックへ向けた対応。プレミアム牛めし(牛丼)は英語表記で「Premium Gyumeshi」、中国語で「高級牛肉飯」と表示されるとのこと。「Gyumeshi」って・・・ただただローマ字表記にしただけですが・・・エイプリルフールに発表してほしいものです。

言語切り替えボタンを仕様追加することでますますごっちゃごちゃなUIにならないことを祈ります。

券売機のベストプラクティス

飲食店の券売機ベストプラクティス
via:blogs.yahoo.co.jp/taimaemiko

今はどうなっているか分かりませんが、2013年時点で羽田空港にあるラーメン屋の「せたが屋」の券売機。こんな感じの券売機であれば、メインメニューはボタンが大きく、オプションメニューはボタンが小さくなっています。その上、分かりやすく写真が載っているのでとにかく選びやすい。

外国人観光客を意識するなら、写真の下にキャプションみたいな感じで「牛丼(Beef Bowl) ¥500」みたいに書いてあれば十分。言葉が分からない観光客でも写真と値段が分かれば注文できます。「Premium Gyumeshi」で理解してもらえると本気で思ってるんでしょうか。

マルチリンガル対応した結果、「Premium Gyumeshi」ってただただシステムを無駄に複雑化するだけです。過労死(karoshi)のように不名誉にも英語でも通じる言葉ならまだしも・・・

まとめ

ただただ牛丼並と卵を注文したかっただけなのに、「店内」か「持ち帰り」かタップして、「プレミアム牛めし」か「丼」のどちらか迷った挙句に「丼」をタップ。

「丼」の画面には「牛とじ丼」などの紛らわしいメニューが並んでいて「どれがプレーンな牛丼なの?」と迷った後、「プレミアム牛めし」だったのかもということに気づく。

「プレミアム牛めし」の画面に切り替えようとしたところ、どこで切り替えるのか分からずにボタンを探していると、なんと上部にタブ切り替えのボタンが。「プレミアム牛めし」が「牛丼」であることを理解して無事に牛丼を選択完了。

「後は卵だ」と思って見づらいUIから必死に探して小っこく配置されている生玉子のボタンを発見。そして、確定ボタンがあるのではと探したものの見つからず、結局お金を入れたら発券された。

この一連の流れは一体なんなのか。表向きには衛生面を配慮して店員がお金を触ることのないよう導入された券売機ですが、あまりにもユーザーにとって不便なものを導入したものだと思います。普段ウェブサイトやシステムを利用することが多い人間ですら分かりづらいのだから、ITリテラシーの低い年配の方はもっと分かりづらいはず。

最先端なシステムを導入することにばかりこだわってしまったのかどうか理由は分かりませんが、松屋の注文するまでのフローにおけるユーザー体験は大きな問題がありすぎます。
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